猫たち。

ひたすら引越しの後片付け。
段ボール開ける→指定の位置に運ぶ→段ボール開ける→指定の位置に運ぶ……エンドレスだ〜。腰にくるううう。

途中からはへこたれて、姉の『骨盤矯正椅子』に座ってエアコン磨きに没頭した。この椅子、なかなかいいかんじです。わたしも欲しい。

-----------------------------------------

昨日、荷物とゴミを運び出したところで力尽きていたので、実家の掃除に母とふたりで行った。
からっぽ。
見慣れた狭い庭に雨がざんざん降っている。

母の部屋の押入れを箒で掃いていて、死んでしまった猫のことを思い出した。胸がきゅうううっとした。
20歳まで生きて老衰で死んだミミちゃんは、最後の数日間この押入れにいた。中をそっと覗き込んで「ミミ？」と声をかけると、小さい小さい声で返事をした。ほんとに最後の頃には、もう返事はなくて。

自分の若い頃のことより、死んだ父のことより、なにより、この家に残ってる思い出はミミちゃんだったな。
ばいばい。
息をしていないミミちゃんを、わたしは見ていない。
庭の隅に埋めた小さな骨壷を、わたしは見ていない。


わたしが自分の家に帰ったあとに息をひきとったのだ。

もう、わたしの家はあそこじゃなかったんだ。

------------------------------------

ミミちゃん亡きあと、母はもう絶対猫を飼わないと言っていたのに、突然野良猫一家が庭に住み着いたのはそれからすぐだった。
飼わない飼わないと言いながら、庭先でごはんあげてるし。絶対飼わないと言いつづけながら、母猫さんが行方不明になり、子猫Aが亡くなり、子猫Bが行方不明になるに至って、とうとう母はやせ我慢するのをやめた。

ある日実家に行ったら、子猫Cが我が物顔で部屋の中にいて、母が親バカな猫撫で声で話しかけていたのだ（笑）。

さて。
その子猫Cを仮住まいの新居に連れて行かなければならないのだけど、問題がひとつ。姉の家の猫さんもいるのである。年寄り猫さんなので、一応先住者としての地位を確保しましょう、と、今夜連れてくることになっている。子猫Cは明日までここでお留守番。いりことかつおぶしのごはんをあげて、わたしたちは帰った。

へとへとのくらくらで、結局今日も泊まることにした。さすがに今日はみんな疲れ果てておとなしく飲んでおとなしく寝た。